認知症は病気であることを忘れてはならない

グループホームで仕事をする人たちにとって、注意しなければならないことがあります。グループホームに入居する人は、認知症であることを忘れてはならないのです。認知症は病気なので、それを理解しておくことが大切です。

認知症の高齢者は、まるで子どもにかえったように見えることがあります。しかし、高齢者は子どもではないので頭ごなしに怒鳴ったり、子ども扱いしたりすると、高齢者の心を傷つけてしまいます。もの忘れがあるからといっても、怒鳴ったことは忘れることなく怒りを持ったまま引きずるのです。また、病気のせいで、思うようにいかない行動があっても、心はそうではないと捉えておかなければなりません。そうした繊細な心をよく理解して、人格を否定するような言動は絶対にしてはなりません。敬意をもって、温かく接することを心掛けるべきでしょう。

時間のないときなど、ついつい急がせたり、こちらで手出ししたりするものですが、これはやってはいけません。あくまでも本人のペースに合わせて介護をしなければ、本人のためにならないのです。自分でできることは、自分でやってもらうのが基本なのでサポートをするということを忘れてはいけません。介護をする方がイライラすると、高齢者はびくびくして、できることもできなくなってしまいます。その結果信頼関係が崩れてしまって良い介護ができなくなるでしょう。本人がわがままを言う時は、必ずその原因があるはずだと思って、周囲の環境などを改善すると信頼関係が高まって良い結果につながるものです。

グループホームで働くために重要なポイント

入所型介護施設の一つであるグループホームは要支援2以上の認知症の高齢者が対象です。また、グループホームは地域密着型のサービスになるため、その地域に住民票がある高齢者が利用できることになっています。グループホームではできるだけ日常に近い環境で近隣住民とも関わりながら、認知症の進行速度を遅らせ、健康的な毎日を送れるよう支援しています。

グループホームでは入浴・排泄・食事サポートなどの身体介護、掃除・洗濯・買い物などの生活援助などの介護サービスの提供を行っています。ここでグループホームでの仕事について考えなければならない点があります。例えば、特別養護老人ホームのように寝たきり状態や重度の認知症を患った高齢者が入居する施設では、24時間体制で手厚い介護を行う必要があります。特別養護老人ホームにはADL・IADLが自立していない高齢者が多く、介護スタッフの助けが無ければ生活していくことができないのです。

もちろんグループホームにもADL・IADLが自立していない、又は自立してはいるが毎日問題なく行うことはできない高齢者もおり、身体介護や生活援助などの介護サービスが必要になることもあるでしょう。しかし、最初から最後まで全て手助けするのではなく、高齢者が自分で出来ることは自分でやるというのも重要になります。高齢者が自分で出来ることまで介護スタッフが手助けしてしまっては、認知症の進行がさらに進む可能性もあり、認知症の進行速度を遅らせるというグループホームの方針とは違ったものになってしまいます。